【映画】海よりもまだ深く

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【解説・あらすじ】「海街diary」「そして父になる」の是枝裕和監督が、「歩いても 歩いても」「奇跡」に続いて阿部寛と3度目のタッグを組み、大人になりきれない男と年老いた母を中心に、夢見ていた未来とは違う現在を生きる家族の姿をつづった人間ドラマ。15年前に文学賞を一度受賞したものの、その後は売れず、作家として成功する夢を追い続けている中年男性・良多。現在は生活費のため探偵事務所で働いているが、周囲にも自分にも「小説のための取材」だと言い訳していた。別れた妻・響子への未練を引きずっている良多は、彼女を「張り込み」して新しい恋人がいることを知りショックを受ける。ある日、団地で一人暮らしをしている母・淑子の家に集まった良多と響子と11歳の息子・真悟は、台風で帰れなくなり、ひと晩を共に過ごすことになる。主人公の母親役を樹木希林が好演し、共演にも真木よう子、小林聡美、リリー・フランキーら豪華な顔ぶれがそろう。(映画.comより)

製作年:2016年
製作国:日本
監督、原案、脚本、編集:是枝裕和
製作:石原隆、川城和実、藤原次彦、依田巽
エグゼクティブプロデューサー:桑田靖、濱田健二、中江康人、松下剛
プロデューサー:松崎薫、代情明彦、田口聖
音楽、主題歌:ハナレグミ
主なキャスト:阿部寛、真木よう子、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮、吉澤太陽、橋爪功、樹木希林、中村ゆり、高橋和也、小澤征悦、峯村リエ、黒田大輔、松岡依都美、古舘寛治、葉山奨之、蒔田彩珠、一栁みのり、立石涼子、ミッキー・カーチス
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【感想】
全面的に共感できる話ではなかったのですが、どこか分かると言うか何と言うか、世知辛い世の中の厳しさや現実を知ってしまうと、妙に共感できるところもあったりで、ついつい見入ってしまった映画でした。
阿部寛が演じた主人公の篠田良多は、間違いなくダメ人間です。
ああ言う人間にだけはなりたくない典型的な男です。
人間のダメな部分を極端な形で表したら彼になるのでしょう。
でも、残念ながらどこか人間は彼的要素が一つはあったりするもので、彼を全否定はできない、どころか自分のダメな部分を重ね合わせたりしてしっかりしろよと諭してあげたくなるんですよねぇ。

まだ世の中に出ていない若者には本作の本質的な部分は分からないかもしれません、でも、私も含めて思い描いたような人生を歩んでいない者にとっては、間違いなく心に届く作品に仕上がっていましたね。
思い通りにいかない人生も含めてそれも人生と思うことが出来れば、もっと前を向いて歩んでいけそうだなと、この映画を見てふとそんな風に思わされましたから。
とは言え、今を愛し、今を大切に生きると言う境地に達するのは、そう簡単なことではないですけどね・・・。

しかしさすがは是枝監督、ダメ人間なのに何だかんだで皆良多の良さを分かっているよう描く辺りの匙加減は、ホント絶妙でしたね。
母だけでなく、元嫁、息子、姉、職場の同僚、そして亡き父、皆の良多への接し方がとにかく奥深くて、会話の一つ一つに聞き入ってしまいました。
姉役の小林聡美なんか本当に絶妙、樹木希林と親娘設定にするなんて、見事過ぎますよキャスティングが!
何気ない日常のシーンも、本当に描き方が上手い、他人の家を覗き見したようなあるある感に、思わずニヤリとさせられました。

ニヤリとさせられる最強アイテム、ラスボスはやはり何と言っても樹木希林でしょう。
全ての台詞、佇まいにとにかく魅せられた。
ダメな息子ほど可愛いとはよく言いますが、この方の演技を見ているとまさしく・・・と思わされますね。
そして親はいつになっても親、子はいつになっても子なんだなと、改めて・・・。
それと冷凍庫の自家製カルピスアイスが個人的にはツボでした、冷蔵庫臭いんですよね、ああやって置いておくと(笑)
台風一過の眩しさも良かったですねぇ、台風のおかげで、良多も少しは成長できたのかな・・・。
評価4.5(5点満点中)


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海よりもまだ深く
Excerpt: 15年前に文学賞を一度獲ったきり泣かず飛ばずの作家・良多は、妻子と別れ、今は探偵事務所に勤めている。 ある日、良多と離婚した元妻・響子、そして11歳の息子・真悟は、団地で一人暮らしをしている良多の母・..
Weblog: 象のロケット
Tracked: 2016-06-12 07:24