【映画】紙の月

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【解説・あらすじ】「八日目の蝉」や直木賞受賞作「対岸の彼女」など多数の作品で人気を誇る作家・角田光代のベストセラーで、テレビドラマ化もされた「紙の月」を、「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督が映画化。宮沢りえが7年ぶりに映画主演を務め、年下の恋人のため顧客の金を横領してしまう銀行員の女性を演じた。バブル崩壊直後の1994年。夫と2人で暮らす主婦・梅澤梨花は、銀行の契約社員として外回りの仕事に従事し、その丁寧な仕事ぶりで周囲にも評価されていた。一見すると何不自由ない生活を送っているように見えた梨花だが、自分への関心が薄い夫との関係にむなしさを感じていた。そんなある日、年下の大学生・光太と出会った梨花は、光太と過ごすうちに顧客の預金に手をつけてしまう。最初は1万円を借りただけのつもりだったが、次第にその行為はエスカレートしていき……。2014年・第27回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され、最優秀女優賞と観客賞を受賞。第38回日本アカデミー賞でも最優秀女優賞を受賞した。(映画.comより)

製作年:2014年
製作国:日本
監督:吉田大八
原作:角田光代
脚本:早船歌江子
製作総指揮:大角正
製作代表:秋元一孝、水口昌彦、加太孝明、宮田昌紀、山本浩、宮田謙一、矢内廣、高橋誠
エグゼクティブプロデューサー:高橋敏弘、安藤親広
プロデューサー:池田史嗣、石田聡子、明石直弓
助監督:甲斐聖太郎
音楽:little moa、小野雄紀、山口龍夫
主題歌:ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ
主なキャスト:宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、小林聡美、平祐奈、佐々木勝彦、天光眞弓、中原ひとみ、伊勢志摩、大西武志、井上肇、舟田走、井端珠里、冨田ミキ、清瀬やえこ、清水彩花、佐藤直子、永井理沙、水野小論、俵木藤汰、稲森誠、梶原章司、今村雄一、猫田直、松岡恵望子、藤本泉、佐津川愛美(声)、桜木信介(声)、嶋田翔平(声)森脇由紀(声)
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【感想】
話的にはまあそれほど新鮮味はない話でしたが、見せ方が本当に上手かった!
極々普通の地味な主婦が横領に手を染め堕ちていく話なのに、終わってみると哀れとか惨めとか、彼女に対してそう言った感情は抱かないんですよね。
ラストのあの解放感は、モラルやルールに縛られた世の中を生きていると、妙に共感できる言うか、うらやましくさえ思えてしまいました。
破滅と自由はホント近い位置に存在するんだな・・・と、改めてそんなことをふと思わされた映画でしたよ。

しかしメインとなる女性3人の描き方が、あまりにも絶妙すぎて思わず唸らされました。
特に上司をも翻弄するモラルの象徴のような堅物ベテラン銀行員を演じた小林聡美の存在感が半端じゃなく凄かった!
主人公・梨花との終盤の対峙シーンは、この映画で一番印象深かったです。
一方、真逆と言える存在の若手銀行員を演じた大島優子の要領良く生きてる小悪魔的キャラもなかなか印象深かったですね。
彼女の何てことのないような悪魔の囁きが、また何とも・・・。

更には梨花の不倫相手を演じた池松壮亮の母性本能を刺激するような、何かを与えたくなるあの雰囲気もまた絶妙で、若者を相手に不倫に堕ちるにふさわしい、妙なリアル感があったと思いました。
これらのパーツがあって、話が成り立ち、そして梨花が形成されていくんですよね。
地味なヒロインが、妖艶に花開き、全てから解放されていく様子は、見ていて思わずウットリとさせられるような、そんな雰囲気さえ漂わせていました。
しかし宮沢りえの演技は圧巻だったなぁ、彼女の演技なくしてこの映画は成立しませんでしたね、とにかく凄かった。

少女時代のエピソードも、かなり効果的でしたね。
手段は選ばない、そして与えることによって喜びを得る女・・・人は年を重ねようとも、本質は変わらないと言うことでしょうか。
そんなある種モンスター的な部分が、恐ろしくもありました。
彼女は死ぬまでそうやって生きていくのかな・・・。
それにしても、さすがは吉田大八監督、ありきたりな題材を、こうも見応えのある作品に仕上げてしまうとは、お見事でしたね。
評価4.5(5点満点中)


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Excerpt: 1994年。 夫と二人暮らしの梅澤梨花は「わかば銀行」の契約社員で、職場では高い評価を受けていた。 ふとしたことから、梨花は裕福な顧客・平林の孫で、大学生の光太と逢瀬を重ねるようになる。 買い物途中、..
Weblog: 象のロケット
Tracked: 2016-05-16 21:39